「本を語る夕べ」は、「本との出会い 人との出会い」をキャッチフレーズに、昨年度から実施している図書館の取り組みです。
今回は今年の7月から11月に実施されました3回の「本を語る夕べ」の実施報告をさせていただきます。
1)7月10日(火)大宮図書館 ナレッジコモンズ
☆スピーカー: 小島勝先生(名誉教授、元図書館長)
☆本: 『人間であること』時実利彦〔著〕、岩波新書、1970年
2)11月21日(水)深草図書館 ナレッジコモンズ
☆スピーカー: 松岡憲司先生(経済学部教授)
☆本: 『マネー・ボール』マイケル・ルイス〔著〕、中山宥〔訳〕、ハヤカワ文庫、2013年
3)11月28日(水)深草図書館 ナレッジコモンズ
☆スピーカー: 岩田貢先生(法学部 教授)
☆本: 『史実を歩く』吉村昭〔著〕、文春新書、1998年
なお、11月21日の「本を語る夕べ」に参加された学生さんから、下記の文章を寄せて頂きました。
<感想> 経済学部 1回生 阿部更紗
☆「本を語る夕べ」に参加して
今回、初めて「本を語る夕べ」に参加させていただきました。図書館でのイベントということで、内容が少し難しいのではないかと思っていましたが、分かりやすく楽しい雰囲気でした。
今回参加させていただいたきっかけは、スピーカーが基礎演習の担任である松岡先生であり、元々プロ野球が好きでセイバーメトリクスにも興味があったからです。興味深いお話を沢山お聞きすることができ、いい時間になりました。
☆『マネーボール』について
今まで、よく野球の分析や解説などでWARやOPSなどを聞いたことがありましたが、算出方法がよく分からず、ランキングだけ見てなんとなく解釈していました。今回、解説を交えながらお話いただいて、算出方法がわかりました。
統計の際には、グラウンドが予想以上に細かく分割されていることに驚きました。現在、メジャーリーグではかなりセイバーメトリクスが導入されていますが、このような背景があったのかと納得しました。野球チームが成功するためには、能力の高い選手を集めればいいと思いがちですが、個々のポテンシャルが高いかどうかよりも、統計的な考え方を活用して編成したチームのほうが有利なのだと分かりました。
セイバーメトリクスのように「統計学的な考え方」は、野球だけでなく、サッカーやラグビーなどでも使われていることを初めて知りました。古くから言われているような一般論も面白いですが、セイバーメトリクスのような統計を積極的に活用したスポーツにも興味が湧きました。伝統的な考え方も統計も、両方をうまく組み合わせた、もっと面白いスポーツを見ることができる時代が来るのが楽しみです。
『マネーボール』の本は、初めは厚い本で難しそうに感じましたが、実話なので場面の想像がしやすく、とても読みやすくスルスル進みました。
常識や既成概念にとらわれず、新しい考え方を受け入れる大切さを学びました。面白かったですし、これから社会に出たときに、考え方を活かせそうだと思えた1冊でした。