2022年度 瀬田図書館のミニ展観

 大宮図書館は国宝『類聚古集』、重要文化財『念仏式』『李柏尺牘稿』を始めとする貴重書を多数所蔵し、また本願寺歴代宗主が収集・伝持してきた古刊本、古写本等のコレクション「写字台文庫」等も所蔵し、定期的に展観を企画し学内外の方に公開してきました。また深草図書館には社史、団体史における日本最大級のコレクション「長尾文庫」や昭和期にマルクス経済学の理論的主柱として数々の論文を発表された山田盛太郎先生の蔵書コレクション「山田盛太郎文庫」等のコレクションを多数所蔵し、これらをテーマとする展観を企画してきました。大宮図書館や深草図書館の様な貴重書やコレクションを所蔵していない瀬田図書館としては羨ましい限りです。
 しかし無いものを羨んでも仕方ありません。今ある資料を最大限に活かして瀬田図書館も展観を企画してきました。図書館資料に対する興味を喚起するような、例えば「レポートや論文の書き方」「就職活動に役立つ資料」等をテーマとした展観を学生スタッフも含めた瀬田図書館全スタッフがアイデアを出し合って、毎年十数回実施してきました。ちなみに貴重書等の本格的な展観に対して、少しだけ遠慮して「ミニ展観」と呼んでいます。
 2022 年度は今までのミニ展観とは少し傾向の異なる連続展観を企画しています。
 政府や自治体において○月は「○○○○月間」と定められ、様々なイベント等が展開されます。それらに対応するよう12 回分のミニ展観を下記の通り計画し、前期分は予定通り実施、現在漸く折り返し点までやってきました。この記事では前期実施分の中からいくつかピックアップして紹介します。
 展観場所は本館1階新聞コーナー近く、新館への通路の横です。皆さんにとっては興味関心のないテーマもあろうかと思います。でも月に1回ぐらい興味関心のないことにも少し目を向けてください。基礎的なことを多少なりとも知っているのと全く知らないのとでは雲泥の差があります。読書で得た知識が今後の人生に実りを与えてくれるでしょう。
 なお今回のミニ展観にあたり、ポスターやチラシ等の展示資料や配布資料を厚生労働省、国税庁、滋賀県等の官公庁からご提供いただきました。改めて御礼申し上げます。

瀬田図書館スタッフ

4月 20 歳未満飲酒防止強調月間
5月 自転車月間
6月 環境月間
7月 「愛の血液助け合い運動」月間
8月 食品衛生月間
9月 障害者雇用支援月間
10月 食品ロス削減月間
11月 ねんきん月間
12月 地域歳末たすけあい運動
1月 緑の募金
2月 省エネルギー月間
3月 自殺対策強化月間

※2022年度後期分について、テーマを変更することもあります。


 図書館の展観等のイベントは図書館サイトでご案内するとともにカレンダー形式でも提供しています。図をクリックしてみてください。

 

図書館では富士通Japan 株式会社の図書館システムiLiswave を採用しています。また同社のWebサイト構築システムではiframe(インラインフレーム)が利用でき、Google カレンダーを埋め込むことにより「図書館イベントカレンダー」を実現しています。

フレーム横並び

20歳未満飲酒防止強化月間

 4 月は20 歳未満飲酒防止強調月間です。2022 年4 月から民法の成年年齢は18 歳に引き下げられますが、飲酒に関する年齢制限は20 歳のまま維持されます。20 歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。当然20 歳未満の者に飲酒を勧めてもいけません。20 歳以上の方も他人への無理強いや一気飲みは厳禁です。死の危険のある急性アルコール中毒に直結します。自分も他人も大切にしましょう。

自転車月間

 5 月は自転車月間です。自転車は環境にやさしく、また幼少の頃から慣れ親しんだ乗り物です。自転車を活用したまちづくりや地域貢献に取り組む自治体もありますし、また国際貢献にも一役買っています。自転車で瀬田キャンパスに通学している方もたくさんおられます。しかし油断は禁物です。交通安全白書によると令和2 年、自転車とぶつかって亡くなるあるいは重傷を負う歩行者は306 人にも上ります。数千万円の賠償を求められるケースもあり、京都府および滋賀県の条例では「自転車損害賠償保険」等への加入が義務づけられています。
 このような様々な観点から自転車関連の図書を展示し、自転車に対する認識を新たにしたいと思います。

環境月間

 6 月は環境月間です。環境省をはじめ地方自治体等が様々な催し物を通じて、環境に対する啓発活動が展開されています。龍谷大学では今年1 月に「龍谷大学カーボンニュートラル宣言」を発出し、4 月には「地域脱炭素の推進に関する協力協定」を環境省と締結し、地域脱炭素や「地域循環共生圏」の実現に寄与する取組みを行っているところです。ちなみにカーボンニュートラルとは二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と森林等が吸収する量とをプラスマイナスゼロにすることを意味します。琵琶湖は「近畿の水がめ」や「Mother Lake」といわれ、その水源である森林は滋賀県の面積の約1/2 を占めます。環境問題は私たちのとても身近な問題でもあるのです。

 

 

「愛の血液助け合い運動」月間

 7 月は「愛の血液助け合い運動」月間です。ケガや病気 などの治療・手術に用いられる輸血用の血液の大半は、献 血で賄われています。血液は人工的に造ることが出来ず、 また長期保存も出来ないため、年間を通じてコンスタント な量を必要としており、私たちからの献血が求められてい ます。「10 代から30 代の若年層の献血者数は、この10 年 で約35%減少しており、全献血者数に占める若い世代の 割合は減少している。少子化で献血可能人口が減少してい る中、将来に亘り、安定的に血液を確保するためには、若 年層に対する献血推進がこれまで以上に重要になってい る。」と令和3 年版『厚生労働白書』に危機感が示されて います。献血というボランティアに関心を持っていただけ れば、という想いから今回の展示を企画しました。