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巻頭言

 図書館は「面」で使え!

 法学部准教授

 瀬畑 源

 

 私は専門が歴史学(日本政治史)であるため、本がなくては研究にならない。そのため、200 万冊を超える蔵書を持つ龍谷大学図書館の存在は、私にとって心強い存在である。
 龍大の図書館を利用してみて素晴らしいと思う点は、学部生も深草8 号館閉架書庫や大宮積層書庫に入ることができることである。自分の目で本棚を探しに行けることは、研究において重要な経験である。
 近年はデータベース検索が格段に向上し、Web からの調査だけでも、主要な新聞や専門誌などを見ることができるようになった。しかし一方で、デジタル化の進展に伴う問題点も浮き彫りになってきた。特に学生を指導しているときに、その問題を強く感じる。例えば、データベース検索の際のキーワードをうまく設定できないと、主要文献を見落としたりする。CiNii などに論文自体がアップされていないと読まれる可能性が低くなる。
 学生に話を聞くと、図書館でコピーカードを使ったことがないという答えが多いことに気づく。つまり紙の論文や本を見て、複写したことがないという意味である。学生のレポートを見ていると、デジタル化された紀要の論文を利用したものが多い。紀要の論文は玉石混淆であり、できれば専門書や専門誌の論文を読んでほしいと思うが、そこまで誘導することが簡単ではない。
 そのため私は、基礎演習で図書館の利用方法を教える時には、開架1 冊、閉架1 冊を指定し、さらに関連する文献を1 冊持ってくるようにという課題を課している。その際に学生には、「図書館は「面」で使え!」と伝えている。
 図書館が分類に従って本を並べているのは、関連する文献がまとまって置いてあるという意味である。データベースを使って捜した本だけを取ってくるのではなく、その周りを見ることが大切である。タイトルで引っかからなかった関連文献が、周囲にはあふれている。論文が掲載されている雑誌も、その同じ号に何が載っているかも見てほしい。その習慣を少しでも身につけることで、先行研究の調査は充実したものになるはずである。
 図書館の利用方法のガイダンスは、もっと工夫が必要だと個人的には感じている。専門に即した利用方法を、教員も図書館も編み出す必要があるのではないだろうか。

TOPICS

龍谷ミュージアム秋季特別展

「アジアの女神たち」との連携展示開催

 図書館では、初めての企画として、龍谷ミュージアム秋季特別展「アジアの女神たち」(会期2021 年9 月18 日~ 11 月23 日)と連携して、深草・大宮・瀬田の3館で連携展示「アジアの女神たち」展(会期2021 年11 月4 日~ 11 月23 日)を開催しました。
 龍谷ミュージアムが主催した「アジアの女神たち」展は、地母神から観音菩薩に至るまで、アジア各地で深く信仰された女神たちの多様な姿を紹介する展示でした。図書館では、所蔵する資料の一部を龍谷ミュージアムに出陳した他、今回の連携展示では、貴重資料である「観音霊験記」をはじめとする古典籍資料とアジアの女神たちに関する図書を展示いたしました。
 図書館の展示を見て、龍谷ミュージアムの特別展に興味を持って、見学に行かれた方や、龍谷ミュージアムの展示を見学したが、図書館に関連する図書があることを知ったので、借りてみたといった方がおられたようです。2週間余りの連携展示でしたが、反響のある展示でした。

(左から「観音霊験記」「八臂弁財天像」「連携展示風景(深草図書館)」)