2019年度までは市内の大型書店に出向いておこなっていた学生選書を2020年度からコロナ禍を勘案してWeb選書に切り替えて実施しています。学生選書メンバーを募集したところ、2022年度は12名(前期5名、後期7名)の応募があり、オンラインの選書ツールを使って、図書館に置いて欲しいと思う本を選んで頂きました。選ばれた本は、深草図書館2階の学生選書コーナーに配架しています。蔵書検索システムを使えば、大宮図書館や瀬田図書館での受け取りも可能です。皆さんのお気に入りの本を見つけて読書をお楽しみください。
阿部暁子 著、東京創元社 2022年
深草図書館 .和顔館開架2F 081/2022/23
資料番号:12200038653
ひったくり犯を突き止めた。しかし、事件は終わらない。まだ見えない何かが動いている―男子高校生と女子大生の探偵コンビのライトな語りから、より深く暗くなっていく展開にハラハラさせられました。帯に「輪郭は強烈な輝きを放っているのに、彼の中心は闇に沈み、謎めいたまま―」とある通り、まさにタイトルが体現されたかのようなサスペンス・ミステリーです。
文学部2年生 近藤 真菜
小嶋博巳 著、法蔵館 2004年
深草図書館 .和顔館開架2F 081/2022/34
資料番号:12200038766
日本の御朱印はブームになって、国内の人々のみならず、海外の観光客や在留者の中にも文化体験として各地の神社仏閣や三十三所霊場を巡って御朱印を集める人がいます(私もその中の一人です)。一方、御朱印の関連書籍は、旅行ガイド本は多いですが、歴史研究の本は少ないです。「神社における御朱印の通史」(阿部めぐみ氏)という論文によりますと、御朱印と巡礼は、仏教の「六十六部廻国」という巡礼活動に関連があります。そのため、この本を推薦したいと思います。
文学部2年生 黄 叶?
年森瑛 著、文藝春秋 2022年
深草図書館 .和顔館開架2F 081/2022/35
資料番号:12200038777
『N/A』は普通の小説です。どこかにいるような女子高生の1人、松井まどかの日常生活が描かれた小説です。この本に出てくる言葉に、「かけがえのない他人」があります。あなたには「かけがえのない他人」はいますか。欲しいと思いますか。それとも、意味がわからないと思うでしょうか。もしこの言葉に惹かれるのなら、この本を手に取ってみてください。あなたにとって、きっと忘れられない本になると思います。
文学部1年生 山内 遥
『カンブリア爆発の謎:チェンジャンモンスターが残した進化の足跡』
宇佐見義之 著、技術評論社 2008年
深草図書館 .和顔館開架2F 081/2022/42
資料番号:12200038846
5億4千万年前から始まるカンブリア期に、生物は突然、爆発的な進化をしました。化石が見つかってから、その研究は進んでいます。大地は生物の進化を包み込み、保存しています。そこから学べることを見逃すなど非常にもったいないことです。高校で地学選択がなかった、地学が楽しくなかった、など地学分野に近づきにくい印象を持つ人が多数います。この本を通して、化石から学ぶ面白さを感じてほしく、推薦いたします。
文学部3年生 碧川 穂
三浦しをん 著、文藝春秋 2006年
瀬田.本館B1学生選書 081/2016/43
資料番号:31600020073
この作品は、第135回直木賞を受賞した作品で、独特の世界観が漂っています。便利屋の「多田」と居候の「行天」のやりとりはテンポがよく読みやすいです。登場人物はみんなクセが強く話の内容も回によっては強烈な感じがするかもしれませんが、そこには善も悪もなく、キャラが深堀りされていて人間性がよく描かれていると思います。コメディ感もあり、シリアスな場面もあり、しかし一貫して優しい雰囲気が流れています。読み応えありです。
政策学部4年生 松山 真子
来・ぶらり67号(2023.3)