本学は、今からおよそ380年前の寛永16年(1639)年に創設された本願寺の学寮を始まりとしています。本学が掲げる「建学の精神」は、浄土真宗の教えが礎になっています。浄土真宗の宗祖である親鸞聖人(1173~1263)は、阿弥陀仏による万人救済を説かれ、その教えは、今日の私達にとっても拠り所になっています。
2023年は、親鸞聖人が御誕生されてから、ちょうど850年の年にあたります。また、親鸞聖人が著された浄土真宗の根本聖典である『教行信証』が、元仁元年(1224)に成立したとされ、この年を立教開宗の年と定められていることから、2024年を立教開宗800年の年としています。
本願寺をはじめとする浄土真宗の寺院では、親鸞聖人の御誕生ならびに浄土真宗立教開宗の慶讃法要が執り行われる他、京都国立博物館では、「親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞-生涯と名宝」が開催されるなど記念の行事やイベントが予定されています。
本学においても、龍谷ミュージアムでは、親鸞聖人が「和国の教主」として聖徳太子に深く帰依されていたことから、親鸞聖人の聖徳太子への想い、聖徳太子信仰の高揚に親鸞聖人と弟子たちが果たした役割の再確認をテーマにした春季特別展「真宗と聖徳太子」が開催されます。親鸞聖人御誕生850年に臨んで図書館では、龍谷ミュージアムの特別展と連携して、深草・大宮・瀬田の各キャンパスの図書館に於いて、連携展示「真宗と聖徳太子」(期間2023年4月1日~5月28日予定)を開催します。
連携展示予告
龍谷ミュージアムの春季特別展に出陳される図書館の貴重書をいくつかご紹介します。
【皇太子聖徳奉讃断簡】請求記号024.1-35-1
親鸞聖人は、聖徳太子の事蹟を讃仰する和讃を2種類作られたが、そのうち「皇太子聖徳奉讃」と題された75首の和讃は、奥書によって83歳の時の作とされています。
自筆本は、袋綴じの冊子だったと思われますが、いつの頃か解体され、1ないし2頁ずつが熱心な門末の人々に分配されたようです。
本資料は、自筆本の1頁ですが、右上隅に「十六」と墨書があることから、もとの冊子の16頁にあたることが示されています。
【三帖和讃】請求記号021-173-3
浄土真宗における仏前の勤行は、第8代宗主蓮如上人に至るまで、『礼讃』を用いていました。親鸞聖人が漢文の歌で浄土真宗の正意を示されたのが『正信偈』であることから、蓮如上人は、勤行で『正信偈和讃』を唱えるように改めました。
文明5年(1473)、蓮如上人は、『正信偈和讃』と『三帖和讃』(『浄土和讃』『高僧和讃』『正像末和讃』)を四帖一部として開版されました。
本資料は、文明5年開版本の一つですが、残念ながら『正信偈和讃』が欠けており、『三帖和讃』のみが伝わっています。
各資料の詳細は、貴重資料画像データベース「龍谷蔵」でご確認いただけます。
連携展示「真宗と聖徳太子」では、各館で関連する書籍を取り上げて紹介する他、龍谷ミュージアムに出陳した古典籍を展示する予定です。この機会に是非ご覧ください。
来・ぶらり67号(2023.3)