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#龍大生のお薦め本

『関ケ原合戦:家康の戦略と幕藩体制』
笠谷和比古[ 著] 講談社 2008 年
 「天下分け目の関ヶ原の戦いは、秀吉死後五大老筆頭として覇権を握っていた徳川家康と、その専横を止めるべく石田三成が戦い、家康が勝利を収めた――」。こうした理解は高校の教科書などによって広く信じられている。本書はこうした通説的理解に「待った」をかける挑戦的な良書である。笠谷氏は、東軍の主力部隊は主に福島正則や黒田長政など豊臣恩顧の武将で形成されていたこと、徳川家の主力部隊を率いていた秀忠は合戦に間に合わず、関ヶ原の戦いは「徳川の勝利」と位置づけられないことなどを挙げる。本書を読めば、日本で最も有名な戦いのひとつ、関ヶ原の戦いですら明らかになっていないことが多々あることを痛感させられる。本書の姿勢は卒業論文を作成する学生にとって大きな刺激になると思われる。文庫本なので持ち運びしやすいサイズもおすすめポイントのひとつ。

文学研究科博士後期課程1年生 北村 太智

深草図書館
深草. 文庫・新書
081/ コウタ/1858
資料番号10705073350

大宮図書館
大宮.2F 開架図書
081/KOU/1858
資料番号20805000195

#龍大生のお薦め本

『人生は凸凹だからおもしろい : 逆境を乗り越えるための「禅」の作法』
枡野俊明[ 著] 光文社 2020 年
 人生を振り返ると嬉しいことや悲しいこと、成功したことや失敗したことなど様々なことを思い浮かべます。そんな「不完全な」人生であるからこそ、後悔や反省をし、一方で、思い通りになった時には喜びを感じます。
 本書では、人生について日本庭園で示される禅の庭に照らし合わせて読み進めることが出来ます。禅の庭が人の手で「不完全な」形式だからこそ、その美しさが表現されます。私たちの場合、人間関係に悩む時には必ず「完全」なことを求めています。しかし、禅の庭を思い浮かべて下さい。禅の庭が不完全な形式だからこそ庭園の美しさが表現されているように、その人が「不完全な」一面もあるからこそその人なりの美しさを知ることができるのです。不完全な自分であるからこそ、何が待ち受けているのか分からない人生という凸凹の状況を楽しむことができます。私たちは、その「不完全な」人生を今歩んでいるのです。

経済学部4年生 高木 雄太

深草図書館
深草. 文庫・新書
081/ コウフ/1085
資料番号12000016333

#龍大生のお薦め本

 『永遠の0(ゼロ)』
百田尚樹 [ 著] 講談社 2009 年

主人公は亡くなった祖父のことを調べることになる。主な舞台は第二次世界大戦中の日本軍、いつ死んでしまってもおかしくない状況で、祖父は誰よりも命を大切にしていた臆病者と言われる。しかし次には優秀なパイロットだとも。様々な人に話を聞いていく中で本当の祖父に近づいていく。
 本書では人物の心情が丁寧に描かれているので、平和な場所で生きているということが決して当たり前ではなく、感謝しなければならないことであることに気づかされます。また不安定な情勢に勝手に巻き込まれていく戦争の悲しさに衝撃を受けることになりました。現在でも戦争が起き続けていて、改めて考える機会になると思います。
 永遠の0は映画化された作品ですが、他にも学生選書の中に映像化された作品が多くあります。是非そちらも手に取ってみてください。

経営学部2年生 松本 晴陽

深草図書館
深草. 学生選書
081/2012/6
資料番号 11210006142

#龍大生のお薦め本

 『西の魔女が死んだ』
梨木香歩[ 著] 新潮社 2001 年

 学校に馴染めなかった少女まいは、西の魔女ことおばあちゃんのもとで共に暮らすことになる。おばあちゃんは‘‘魔女修行‘‘と称して、まいに生きる上で基本となることを教えていく。そんなところから物語はスタートします。
 本書のタイトルを見た時、私がイメージしたのは黒や灰色といった暗い色でした。しかし、読後はオレンジや緑といった、暖かな色で胸がいっぱいでした。情景描写や感情の機微、「死」の描写でさえも、本書は優しく、心地よい文章で描写してくれます。
 本書は、生きにくさを感じている時や、人生の道すじが分からなくなった時に、少なからずヒントを与えてくれる小説だと思います。ページ数は少なめですが、溢れんばかりの「優しさ」が詰め込まれています。ぜひ、一度手に取ってみてください。

法学部3年生  中山 眞

深草図書館
深草. 文庫・新書
F/18
資料番号 10305013905

深草図書館
深草. 文庫・新書
F/18
資料番号 10710004925

#龍大生のお薦め本

 『ミライの授業』
瀧本哲史[ 著] 講談社 2016 年

昨今、機械化やグローバル化、新型コロナウイルスの流行が、社会のあり方を大きく変化させています。「安い人が選ばれる時代」や「ロボットに仕事を奪われる時代」は、遠い未来ではありません。今まさにわたしたちの足元で動いている、「現在進行形の未来」なのです。
 本書では、そのような未来に立ち向かい、時代を少し前進させる「未来をつくる人」になるための方法が、20 人の人物の失敗や成功をもとに書かれています。有名な偉人から知名度の高くはない人まで、幅広い人物のさまざまなエピソードが盛り込まれており、教養が深まるだけでなく、純粋に読み物として楽しむこともできます。
 元々は14 歳向けに書かれた本ですが、これから社会に出ていく学生はもちろん、あたらしい世代と向き合う大人にもお薦めしたい一冊です。是非、手に取ってみてください。

政策学部1年生 石尾 空良

深草図書館
深草. 和顔館開架B1
159.7/ タテミ
資料番号 11900012326

大宮図書館
大宮.3F 開架図書
354.4/TAK
資料番号 22205003951

 

 

#龍大生のお薦め本

 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
 岩崎夏海[ 著] ダイヤモンド社 2009 年

あなたは、ドラッカーの『マネジメント』をご存じですか?『マネジメント』は「経営学の父」とも呼ばれるドラッカーが組織経営について書いた本です。本書では、この少しとっつきにくく、難しい『マネジメント』の基礎や本質を、小説として物語と共に学んでいくことができます。主人公のみなみは甲子園に出場するという目標のもと、野球部のマネージャーになります。そこで出会った経営書『マネジメント』には、組織を強くするヒントがたくさん記してありました。みなみはこの本をもとに様々な工夫を凝らし、野球部に大きな変革をもたらします。
 本書は、組織で活動する際に重要なことを教えてくれます。この本を読んで、組織の中での自分の在り方を見直してみませんか?今、チームや組織で何かに取り組んでいる人にはぜひ読んでほしい1 冊です。

国際学部3年生 今 結鶴

深草図書館
深草. 和顔館開架2F
913.6/ イナモ
資料番号 11200010408

瀬田図書館
瀬田. 本館B1 開架
913.6/ イナモ
資料番号 31000016041

 

 

#龍大生のお薦め本

 『崩れる脳を抱きしめて』
 知念実希人[ 著] 実業之日本社 2017 年

 知念実希人さんは医師でありながら小説を執筆している方です。知念実希人さんは医療ミステリーの作品を出すことが多く、急に展開が一転したりと予想のつかない内容なため読み応えがあります。今回紹介する本は、恋愛ミステリーです。
 脳腫瘍を患う女性と出会い、心に傷をもつ二人は次第に心を通わせていく。しかし、彼女は幻のように消えてしまった。彼女に何が起きたのか…。
 医者だからこそ描くことのできる患者の苦しみ、その周りの人たちの心情などが生々しく書かれています。さらに、ミステリー小説でもあるため、さまざまなところに伏線が張られているので本をめくる手が止まらなくなります。読めば、身近な人を大切にしようと思える、そんな心温まる恋愛ミステリー小説です。

先進理工学部 3年生 矢下 廉

瀬田図書館
瀬田. 本館B1 開架
913.6/ チミク
資料番号 32205013146

#龍大生のお薦め本

『なぜ犬はあなたの言っていることがわかるのか :動物にも" 心" がある』
 ヴァージニア・モレル[ 著] 庭田よう子[ 訳] -- 講談社 2015 年

 「クジラにも方言がある」、「ミツバチは予定を立てる」、「ラットは互いの痛みを感じる」など、動物の知力に関する新しい事実が日々発見されています。動物はロボットのように単純で反射的な行動しかできないという通説もありますが、この事実を目の当たりにすると動物も私たちと同様に脳を働かせて行動し、感情を持って生活をしているように感じられます。ペットと一緒に暮らしている人であれば、自分のペットに知性や心があると感じる瞬間があるのではないでしょうか。
 この本では個性あふれる科学者たちが動物たちの知性、感情、心のありかを次々に解明していきます。普段は知ることのできない、動物視点の世界を覗いてみてはいかかでしょうか。

社会学部3年生 鍛治谷 佳那

瀬田図書館
瀬田. 本館2F 開架
481.78/ モウナ
資料番号 31605033217

#龍大生のお薦め本

『論理的思考力を鍛える33 の思考実験』
 北村 良子[ 著] 彩図社 2017 年
 「論理的思考」とは、ある制限された条件の中で考えを深め、頭の中で推論し、自分なりの結論を導き出す事です。この力は現代社会に必要とされていて、最近注目を集めています。
 この本では、自身を実験台にし、様々な思考問題を実験することができます。実験室は頭の中。通学中や食事中、布団の中でも気軽に楽しめちゃいますね。
 毎日の生活に刺激が欲しい人、最近考えることが減った人、新たな発見・気づきを求めている人などにオススメの一冊。あなたが今まで積み上げてきた知識や倫理観を武器に、物語やトリックのような世界を楽しみながら、論理的思考を鍛えてみてはいかがでしょうか?

農学部4 年生 西 明日香

瀬田. 本館B1F 開架
116/ キリロ
資料番号 32000001476

#龍大生のお薦め本

『十角館の殺人』
 綾辻行人[ 著] 講談社 (1987 年初版など)
 「十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研究会の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。(講談社文庫)」そして驚愕の結末とは!?
 みなさんは本格ミステリというジャンルをご存知でしょうか?日本では島田荘司、鮎川哲也などが有名ですが、その本格ミステリから新本格ミステリムーブを起こしたのが本書の綾辻行人の一連の長編「館シリーズ」です。本書はその館シリーズの第1 作目となっています。どの作品の推理小説も犯人の動機についてなぜこのような行為に至ったのかなどと想像しながら自分で推理して読んでいくと更に面白さが増します。この機会に新本格ミステリを是非、一度手に取ってみてください。

短期大学部2 年生 奥村 宏太郎

本学では未所蔵ですが、複数の所蔵館が以下のリンクで確認いただけます。
他大学所蔵の本は、CiNii で確認できます。図書の取り寄せを本学図書館を通じて依頼することも可能です。
【CiNii 図書『十角館の殺人』所蔵館】
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01266183#anc-library