龍谷大学図書館ウェブマガジン
2024(令和6)年9月発行
Web書棚がかなり楽しい
龍谷大学経営学部 准教授 妻木 進吾
龍谷大学図書館のwebサイトに「Web書棚」機能があることをご存知だろうか。私は知らなかった。サービス導入は知っていたが、これほど便利で楽しいことは知らなかった。
電車で移動中にふと、龍谷大学図書館の蔵書検索ページで、「若者/離れ」で検索をした。「若者の○○離れ」で卒論を書こうとしているゼミ生がいたからである。すると、書籍が10件ヒットした。そのうちの1冊、『「若者の読書離れ」というウソ』をクリックすると、基本的な書誌情報や目次、あらすじのページが開く。ここに「Web書棚」ボタンがある。こんなのあったなと思いながらクリックすると、龍大図書館3館の蔵書が一体化したバーチャル書棚が現れる。
リアル図書館やリアル書店のよさは、目当ての本を実際に手にとれるだけではなく、その1冊が納まる書棚の周りをうろうろして、「お、こんなのあるやん!」「なんかおもしろそう」という本に次々に出会える楽しさがその大きな魅力である。Web書棚も同じ魅力をもっている。
ずらりと並ぶ背表紙の中に、先ほどの1冊が目立つように収まっている。何冊か隣に、『孤独とつながりの消費論 : 推し活・レトロ・古着・移住』などなど、おもしろそうなタイトルが目に入る。さらに見ていくと、『葬儀業 : 変わりゆく死の儀礼のかたち』という本がある。詳細情報を見ると、2024年に出たばかりで、目次には「死から火葬まで:一般葬の流儀」「人と社会の変化を映す葬儀業界」など、興味をそそられる見出しが並ぶ。著者は「死の社会学」が専門だとある。「死の社会学」に興味があるとは自分でも気づかなかったが、どうも気になる。詳細ページの「件名標目等」の「葬儀業」をクリックすると22件ヒットした。『葬儀業のエスノグラフィー』と、これまた惹かれるタイトルが見える。書誌情報を読んで、これはおもしろそうだとメモをして、さらにWeb書棚ボタンを押してみる。並んでいる背表紙に目を通すと、『警備業の社会学』『もんじゃの社会史 : 東京・月島の近・現代の変容』などなど、次々とおもしろそうなタイトルが目に入る。気になるキーワードが見つかったので蔵書検索……Web書棚を媒介とする、めくるめく「お、こんなのあるやん!」の世界が拡がっていた。
Web書棚では、CiNiiのワード検索やAmazonのおすすめ機能では出会えなかった本に出会える。卒論のテーマ探しに苦労し、「自分が何に興味があるか分からない」「おもしろいテーマが見つからない」というゼミ生はもとより、多くの学生におすすめしたい機能である。
図書館の開館時間について
図書館の開館時間は、学年暦や各学舎の利用状況に応じて設定しています。毎年見直しを行い、利用者の皆さんの要望に応え、図書館はキャンパス内で最も長時間利用できる施設になっています。
3館とも長期休業中も一斉休暇期間を除き開館しており、また、深草図書館では、ほぼ年間を通じて日曜日も開館しており、大宮学舎においても、2022年度から試行的に日曜開館を実施しています。
テラス席や個人学習ブースなど様々なタイプの座席を備えた深草図書館、クラシカルな雰囲気で多くの貴重書を所蔵する大宮図書館、新着図書や展観が充実している瀬田図書館と3館それぞれ異なる魅力があります。
授業のない日曜日や長期休暇中の開館日に、いつもと違う図書館を訪れてみてはいかがでしょうか。
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