鈴木修次[著]. -- 中央公論社, 1981.
深草図書館:文庫・新書 081/チユウ/626
資料番号:18741305731
「権利」「義務」、「科学」「真理」、「宗教」「自由」等の言葉は、明治の日本人が異質のヨーロッパ文明を導入するために工夫した「新漢語」である。本書は、これらの日本漢語が、逆に漢字発祥の国である中国に輸出され、中国語の語彙となって活用されていることを明らかにしている。
「宗教」は、元来仏教語であったが、明治初期にreligionの訳語として使用され、次第に社会に定着することによって、諸「宗教」の一つとしての「仏教」が生まれたとも言える。日本語の語彙の意味変遷を考える上で興味深い視点を提供している。
文学部教授 三谷 真澄
深沢潮[著].-- 文春文庫,2021.
深草図書館:和顔館開架2F 913.6/フウウ
資料番号:12500040631
在日という言葉は、使い方次第で適切かどうかわからない言葉だ。仕事柄、そのような背景があるだろう人々と話をする機会が幾度もあり、文徳允のような父親はたくさんいるようだと感じている。本書は、比較的わかりやすく、今の若い人たちにも伝わりやすく書かれている。韓流が流行っている一方で、このような背景を知らない人が多いだろう。大げさな話かもしれないが、日本と韓国の架け橋となる1冊と思って手に取っていただきたい。
心理学部教授 赤津 玲子
『二十歳(はたち)のころ : 立花ゼミ『調べて書く』共同製作』
立花隆, 東京大学教養学部立花隆ゼミ[著]. -- 新潮社,1 : 1937-1958, 2 : 1960-2001.
深草図書館:文庫・新書 F/18
資料番号:10110056708、10110056710
瀬田図書館:本館B1開架 281.04/タタハ/1、281.04/タタハ/2
資料番号:30600001295、 30600001307
この本は、東大教養学部の立花ゼミ生達が、気になった大人達の「二十歳のころ」についてインタビューした内容をまとめたものです。2巻あり、それぞれ1937-1958年、1960-2001年に二十歳のころを過ごした大人達のお話が載っています。どんな大人達がインタビューを受けているかは読んでみてからのお楽しみです。
一言で「二十歳のころ」と言っても時代や立場が異なれば、過ごす人生も異なります。この本を通じて、いろいろな人生にぜひ触れてみてください。
経済学部准教授 久保 利久
『百年の孤独』
文庫版:G・ガルシア=マルケス [著] ; 鼓直訳. -- 新潮社, 2024.
深草図書館:文庫・新書 F/18
資料番号:12400014705
単行本版:ガブリエル・ガルシア=マルケス[著] ; 鼓直訳. -- 新潮社, 2006.
瀬田図書館:本館B1開架 963/カカオ/4
資料番号:32005029790
20世紀文学最高傑作の一つが2024年に文庫になって手に取りやすくなった。同じく2024年から某有名動画配信サイトでドラマ化もされており、観た人もいるかもしれない。だがそれを観た人も観ていない人も、是非ともこの原作を読んで、文学というもののすさまじさを味わってほしい。コロンビアのとある一族のめくるめく百年の歴史が、「マジックリアリズム」という手法によって、現実と非現実の混合した「リアルかつ奇想天外」という不思議な物語となって読者を包む。この物語を読むことで、あなたの現実認識も変わるはずだ。
経営学部教授 竹内 綱史
ジュディス・シュクラー [著] ; 川上洋平, 沼尾恵, 松元雅和訳. -- 岩波書店, 2023.
深草図書館:和顔館開架B2 321.1/シシフ
資料番号 12305009002
人が直面するさまざまな苦難は、不運なのか、それとも社会の不正義なのか。
わたしたちが苦境に立たされたとき、あるいは苦しむ人を目の当たりにしたときに湧き上がってくる「これはおかしい!」という怒り。この「不正義の感覚」こそが、民主主義で大切にされるべきだとシュクラーは説く。「正義」ではなく「不正義」に光を当て、生身の人間が抱く「不正義の感覚」から、当たり前とされてきた社会の前提を問い直すことの大切さを示してくれる1冊です。
法学部教授 橋本 祐子
今井照 [著]. -- 岩波書店, 2025
深草図書館:文庫・新書 081/イワナ/2092
資料番号:12500034757
2000年に地方分権改革が行われた。この改革では自治体の自己決定権を尊重する方向での改革が進められた。そのなかで機関委任事務制度が全廃され、国の自治体への関与は法律に基づく必要最小限度された。その後、自治体はどうなったのか。この本ではその後の自治体の姿が語られる。喰い物にされる自治体、復活する国の関与。それでもなお、と著者は訴える。自治体論議は私たちの生活に深く関係する。ぜひ手に取ってご一読いただきたい。
政策学部教授 南島 和久
水野太貴 [著]. -- 新潮社, 2025.
深草図書館:和顔館開架B2 804/ミタカ
資料番号:12500024722
「会話の0.2秒」に注目し, 発話の切り替えや相づち, 沈黙の意味を, 語用論や会話分析の視点からわかりやすく解き明かす一冊です。「うまく話せない」「伝わらない」と感じる場面で, 何がすれ違いを生むのかを, 言語学的な観点から考え直すきっかけになります。日常会話を見直すヒントにもなり, 言語学が初めてでも読みやすい入門書として大学生におすすめです。
国際学部准教授 長尾 明子
世阿弥 [著] ; 竹本幹夫訳注. -- 角川学芸出版, 2009.
大宮図書館:積層開架 773/ZEA
資料番号:22305004134
「秘すれば花」——この一文で世界的に知られる『風姿花伝』は、「能」を確立した世阿弥が、能役者の教科書として15世紀に書いた著作ですが、いまも多くの人に読まれ続けているのは、本書がたんなる演劇論の枠を超えて、自然と美と人間をめぐる普遍的思想に到達しているからです。他方、本書は「花」、すなわち「惹きつける魅力」を身につけるための実践的アドバイスも満載しています。美や人生について思索を深めたい学生も、恋愛や就職活動に役立てたいという下心のある学生も、本書から得るものは大きいはずです。
社会学部教授 村澤 真保呂
西垣通[著]. -- 講談社, 2018.
深草図書館:文庫・新書 081/コウタ/672
資料番号:11800004791
瀬田図書館:本館1F文庫 081/コウタ/672
資料番号:32000001487
2022年にChatGPTが公開されて以降、一般の人々も深層学習に基づくAI技術の威力や脅威を身近に感じるようになってきたと思います。本書は、その少し前に日本の経験豊かな情報学者が著したものですが、2010年代から本格化した第3次AIブームの状況下で「人間の認知や思考を模擬できるAI」や「人知を超える絶対知」の実現について、哲学的および宗教的視点から論じています。生命体のもつ知能の神秘性に依拠しすぎている面や反欧米的な面もあるように感じますが、みなさんの感想はどうでしょうか。
先端理工学部教授 木村 昌弘
安宅和人[著]. -- 英治出版, 2010.
瀬田図書館:本館1F開架 336.2/アカイ
資料番号:32305022492
「毎日忙しいけれど、本当にこれでいいのかな?」と不安を感じることはありませんか?私もその内の一人です。そんな皆さんに、ぜひ読んでほしいのが『イシューからはじめよ』です。この本は、「とにかく頑張る」前に「今、本当に解決すべきことは何か?」を立ち止まって考える大切さを教えてくれます。世の中にはたくさんの問題がありますが、実は今すぐ解かなくていいこともたくさんあるようです。限られた時間とエネルギーを、一番大切なところに集中させる。そんな「賢い努力のコツ」を学ぶことで、研究や就活、そしてこれからの生活がぐっと楽に、充実したものになると思います。
農学部准教授 松村 篤
福田育弘[著]. -- 教育評論社, 2021.
瀬田図書館:本館1F開架 383.8/フイト
資料番号:32105006101
本書は、家庭での食事の変遷や、割烹で作る人と食べる人とのコミュニケーション、文学作品に描かれる食事などを取り上げ、日本社会における「共食」の意味を探っています。
コロナで一変した、誰かと一緒に食事をする「共食」という一家揃っての団欒は、日本人にとって家庭における躾の場としての役割があり、楽しい団欒というよりも儀礼的性格が強かった。近年では、外食も『お一人様』といわれるように孤食化しており、食事を共にすることで人と繋がることができる、という事実は変わっていない。コロナ後の世界において、共食について考える一冊であるため、紹介します。
短期大学部教授 野口 聡子