龍谷大学新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
この1年間(以上になりますが)、コロナ禍で本当に大変な思いをされたかと思います。生活習慣を含んだ日常生活がここまで変化するとはまったく想像できなかったことです。 この先、「元の状態」に戻るのは相当な時間がかかるでしょう。残念ながら、コロナ禍以前の状態には完全には戻らないかも知れません。しかし、そんな中でも、みなさん(だけではなく世の中の全ての人々)は学び続けてゆくことになります。 大学構内に入ったら、いつもよりも少し顔を上げてください。おそらく、小学校・中学校・高校では目にすることのなかった風景が広がっていることと思います。「大きい」という印象を抱く人が多いのではないでしょうか。「大学」とはよく言ったものです。 その大学に設置されている図書館も「大きい」。龍谷大学の図書館は大宮学舎・深草学舎・瀬田学舎それぞれに配置されていますが、3館の所蔵図書を合計すると、227万3270冊という途方もない数字となります(2020年3月31日現在。https://library.ryukoku.ac.jp/Guide/page_id20)。 数字が大きすぎてピンと来ませんが、左京区にある京都府立図書館の蔵書数が約100万冊(2018年現在。「府立図書館の蔵書数と利用状況」:https://data.pref.kyoto.lg.jp/dataset/260002_tokeisyo2004/resource/8bbc29f8-c9dc-408e-a641-a649d3b69dd4)と公表されているので、その2倍よりも多いことになります。 つまり、多くの新入生にとって、龍谷大学の図書館は「今までの人生で出会った最大の図書館」になるかと思います。そして、そこには今まで出逢ったことのない多くの「知」が眠っています。 「眠っている」……そうです。図書館の蔵する「知」は「誰か」が呼び起こさない限り、誰にも知られることなく眠ったままです。何の役にも立ちません。言葉を換えれば、図書を保管しているだけでは図書館の存在意義はありません。「誰か」すなわち利用者がいて、はじめて図書館という存在は意味を持つのです。そして、その利用者とは他ならぬみなさんです。 是非「今までの人生で出会った最大の図書館」に足を運んでください。ただし、コロナ禍はまだまだ続いていますので、くれぐれも安全には気をつけて。
ちなみに、この文章で私(竹内)は「出会う」と「出逢う」を使い分けています。多分に恣意的な使い分けではあるのですが、その意味を知るために図書館にある巨大な国語辞典や漢和辞典を開いてみるのもオススメです。
図書館長 竹内真彦
|